1隻の老朽船から世界最大のクルーズ企業へ

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世界最大のクルーズ企業「カーニバル・クルーズ」

立ち上げは、イスラエルから移民したテッド・アリソンが1972年に
仲間から集めたお金で購入した1隻の老朽客船からだった。(写真左下)

それも、資金がなくて塗装も片側しかできず、
反対側は見えないように、いつも塗装している片側を
岸につけていたという。

では、現金資金も無い状況からどのように
世界最大のクルーズ企業へと急成長できたのだろうか?

当時のクルーズは富裕層が対象で
料金は高額だった。

 

だが、、、

 

ボロ船だったので、高額料金を設定できず、
安い船旅を提供し、若者をターゲットにした。

 

とは言っても、、、

 

安いからと言って、集客は簡単ではなかった。
現金もゼロで宣伝経費も出せない状況。

 

「では、どうしたのだろうか?」

 

そこで、考え出した画期的な
マーケティング戦略がある。

 

それが、、、

 

空室キャビンと広告との交換だった。

 

具体的な方法

10年間計画を立て、売れ残りの可能性を予測し、
空室キャビンを、100都市のメディア広告と交換した。

申し込みがあれば、最小限の経費分として
手数料90ドル程度を貰った。

このお金で、食事代やタオルや光熱水費など
全ての必要経費を賄った。

つまり、支出ゼロで広告を出した。

 

では、儲けは少ないかというと、お客が乗船すれば、
必ず、バーやカジノやギフトショップでお金を使うので、
売り上げが立つ。

 

カーニバル・クルーズは、この方法で10数年間も、
広告費を使わず宣伝を続けた。

 

その結果、その当時大学生で、ビンゴゲームなどして
事業を手伝っていた現オーナーのミッキー・アリソンは、
現在、「フォーブス」誌の長者番付にも出るほどの億万長者になっている。

 

規模は違うかもしれないが、、、

この戦略、離島の活性化にも活用できそうだ。

 

写真は、カーニバル・クルーズより

左下が設立した時の船「マルディグラ」
そして、右後ろ後方の豪華客船が
2020年に出航する新しい「マルディグラ」
 
新しい船に、最初の船と同じ名前を使うところに
レガシーを感じる。

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